詐欺被害の一部を税控除でカバー

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詐欺被害の一部を税控除でカバー

提供:エヌピー通信社

 

フィリピンを拠点とする犯罪集団「ルフィグループ」の特殊詐欺で、多くの人がクレジットカード情報や現金をだましとられました。

特殊詐欺で失ったお金は損害賠償で取り戻すのが難しく、多くの被害者は泣き寝入りを余儀なくされているのが現状。

しかし国税庁や警察庁の見解をひもとくと、所得税の「雑損控除」の例外的な適用により一部のお金が救済されるパターンもあることがわかります。

 

特殊詐欺の被害に遭ったときの金銭的ダメージは深刻です。

2022年の特殊詐欺1件あたりの平均被害額は202万円と高額で、中には数千万円に上るケースもあります。

しかし実行役である末端の「出し子」「受け子」は十分な資産を持っていないことが多く「損害賠償を請求しても実際に支払いを受けられる見込みは低い」(警視庁)ことから、実質的に泣き寝入りを余儀なくされています。

 

さらに、詐欺被害には原則として税務上の救済措置も用意されていません。

不測の事態にあったときに適用できる所得税の「雑損控除」も適用対象外。

雑損控除の対象は、地震や風水害といった自然災害、火災・爆発のような人為的な災害、害虫などの生物による被害、盗難・横領による損失と多岐にわたっているものの、詐欺による被害は救済対象から外されているのです。

 

しかし詐欺事案でも、例外的に雑損控除が適用できるケースがあります。

まず、特殊詐欺の類型の「キャッシュカード詐欺盗」は雑損控除の対象です。

キャッシュカード詐欺盗とは、犯人が警察官や銀行協会、小売店従業員などを装い「キャッシュカードやクレジットカードが悪用されている」などと説明してカードをそのもの盗み取る手口。

警察庁は他の特殊詐欺と異なり「詐欺」ではなく「盗難」にあたると分類していて、国税庁も「警察が出す被害証明書があれば、確定申告で雑損控除を受けられる」としています。

 

またクレジットカード情報を専用機器で盗み取る「スキミング」についても、詐欺ではなく盗難にあたるとして、国税庁は「被害証明書があれば雑損控除の対象になる」としています。

 

<情報提供:エヌピー通信社>