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国税の滞納、前年から3割増加
提供:エヌピー通信社
国税庁が発表した最新の国税滞納状況によれば、2021年度に新たに発生した国税の滞納は前年度より27.2%増と、顕著な増加傾向を示しました。
また国税の滞納残高は前年度も6.9%増加。残高のピークだった1998年から比べれば3割ほどですが、22年ぶりの増加に転じた前年の流れを継続し、コロナ禍や消費増税が納税者に大きなダメージを与えている現状が浮き彫りとなっています。
滞納が増えた大きな理由は、新型コロナの感染拡大に伴う特例猶予制度が昨年2月に終了し、完納できなかった分が上積みされたこと。
また10%への消費増税により、消費税の滞納が新たに発生したことも影響したとみられます。
21年度に新たに発生した国税の滞納額は7527億円で、前年より約3割増加しました。
21年度末時点での滞納額の残高は8857億円となり、前年から約7%増えています。
残高の増加率を税目別にみると、消費税が9.4%増で最大。
次いで、法人税9.2%、所得税5.6%と続きました。一方、主要税目のなかで相続税だけは7.9%減少しました。
これまでの新規滞納発生額の推移を見ると、ピークだった1992年から増減を挟みながら減少を続けてきたなかで、発生額がぐっと増えた3つの山があります。
一度目は98年で、二度目が2015年と、この2年はそれぞれ消費税率が引き上げられた直後の時期に当たります。
一度目は3%から5%に、二度目は5%から8%に引き上げられ、滞納する事業者が一気に増えたことが、発生額の急増につながったことがデータ上にも表れているといえます。
そして三度目の山が今回の21年度。
言うまでもなく8%から10%への消費増税のタイミングに当たり、さらに加えてコロナ禍による不況も納税危機に拍車をかけている格好です。
国税庁の公表したレポートによれば、国税を納められずに差し押さえられた財産は1年で約850件、約30億円分売却されました。
高級車やクルーザーなどの富裕層の資産も対象となっています。
<情報提供:エヌピー通信社>