国税庁:2014事務年度の海外取引調査状況を公表!

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国税庁:2014事務年度の海外取引調査状況を公表!

 

国税庁は、2014事務年度(2015年6月までの1年間)の海外取引調査状況を公表しました。

それによりますと、国税庁は海外取引を行っている者を対象に、前年度比22.3%増の3,322件の実地調査を実施し、同40.1%増の総額約646億円の申告漏れ所得を把握しました。

 

海外取引調査3,322件を取引区分別にみてみますと、「海外投資」(預貯金等の蓄財を含む海外の不動産や証券などに対する投資)が全体の27.2%を占める903件、「輸出入」(事業での売上や原価に係る取引で、海外の輸出(入)業者との契約による取引)が同14.6%の484件、「役務提供」(工事請負やプログラム設計など海外において行う、労力・技術等の第三者に対するサービスの提供)が同8.5%の284件となりました。

そのほか、海外で支払いを受ける給与や贈与(親族に対する海外送金等)など海外取引に係るもので上記の取引に該当しない「その他」が全体の49.7%を占める1,651件でした。

 

この結果、1件当たりの申告漏れ所得が平均で1,944万円ありましたが、取引区分別では、「海外投資」で2,080万円、「輸出入」で840万円、「役務提供」で2,774万円、「その他」で2,050万円把握されました。

 

事例では、金融機関から提出された国外送金等調書によりますと、同族関係者Aは、多額の送金を行っており、取引内容を解明するため、調査したものが挙がっております。

調査の結果、Aは、送金した資金により海外不動産を購入しており、その後、海外法人に対してその不動産を現物出資している事実があり、このとき取得した海外株式の時価が現物出資した海外不動産の取得費を大きく上回り、その譲渡所得約2,700万円が申告漏れとなっておりました。

法人に現物出資した場合も資産の譲渡となり、譲渡所得として所得税の課税対象となり、この場合の譲渡収入金額は、原則として、現物出資により取得した株式や出資持分の時価となります。

そしてAに対して、所得税の申告漏れ所得金額約2,700万円について税額(加算税含む)約900万円が追徴されました。

 

(注意)
上記の記載内容は、平成28年2月1日現在の情報に基づいて記載しております。

今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。