査察を受けて告発された160件、すべてが有罪 国税庁が平成18年度の「国税犯則事件表関係(速報)」を公表しました。 国税局や税務署が行う税務調査や査察(マル査)は国税犯則取締法という 法律に基づいて行われます。その結果、裁判所に告発されたり、 通告処分を受けたものを国税犯則事件といいます。 国税犯則事件には直接国税犯則事件と間接国税犯則事件とがあり、 間接国税犯則事件とは消費税(課税貨物に課される消費税除く)以外の 間接税(酒税、たばこ税、揮発油税、地方道路税など)に係る犯則事件、 直接国税犯則事件はそれ以外(所得税、法人税、消費税、相続税など)に 係る犯則事件のことをいいます。 国税庁の公表によると、平成18年度において直接国税犯則事件 (査察事件)の一審判決が出たのは160件で、 そのすべてが有罪(有罪率100%)になっています。 国税犯則取締法では、裁判所の許可を得て査察を行い 「犯則アリト思料スルトキ」、つまり犯則の事実が明らかであると 思われる場合は「告発スベキ」としています。 そもそも査察は嫌疑濃厚、確実な場合に行われる強制調査ですから、 査察を受けた場合には高い確率で告発されることになります。 そして、告発された場合の有罪率100%も平成18年度だけの傾向では ありません。 これまで査察を受けて裁判所に告発されて無罪になったケースは ないのです。 一方、間接国税犯則事件の場合は原則として告発されませんが、 その代わりに通告処分(行政処分)を受けることになります。 調査を受けて犯則の事実が明らかである場合、国税局等から罰金の 納付通告を受けることになるのです。 今回の公表結果によると、平成18年度においてこの間接国税犯則事件に 係る通告処分を受けた件数は29件(前年度18件)で、そのすべてが酒税に 係る犯則事件でした。 ネット株取引の普及で譲渡所得の税務調査が増加 国税庁が「平成18事務年度における所得税及び消費税調査等の状況に ついて」を公表しました。同調査は全国の税務署が平成18事務年度に 実施した、所得税および個人消費税に係る税務調査の状況を明らかに したものです。 なお、「事務年度」とは、7月1日から翌年6月30日までを 1単位とした年度をいいます。 この期間に各年度(4月1日から3月31日)に行われた税務申告等に係る 事務(調査など)を実施するため、事務年度という言い方をするようです。 同公表結果によると、平成18事務年度に実施された所得税調査等の 総件数は79万4956件(前事務年度80万6769件)、所得税(譲渡所得)が 8万1253件(同6万7234件)、個人消費税が9万6443件(同7万2639件) でした。 このうち所得税の調査等の件数については、平成14事務年度以降、 76万8千件→79万9千件→78万1千件→80万7千件と約80万件前後で 推移しており、平成18事務年度の状況(79万4956件)も例年並といって よいでしょう。 また、所得税の調査等の結果、申告漏れ等の非違を指摘されたのは 調査等件数の72.3%にあたる57万4785件で、 申告漏れ所得金額は9166億円、追徴税額は加算税を含めて 1243億円でした。これも例年並の水準です。 一方、所得税(譲渡所得)の調査等の状況では、調査等件数が 前事務年度比で21%、非違件数が35%、加算税を含めた追徴税額が 16%も増えています。 譲渡所得とは、土地、建物、株式、ゴルフ会員権など、 資産の譲渡による所得をいいますが、これについて調査等が 増加しているのは、株式等の譲渡所得に対する調査等が 前事務年度よりも63%も増加して3万608件となったためです。 株式のインターネット取引が普及した結果、いわゆるネットトレーダーが 爆発的に増加し、その中には故意、非故意を問わず申告を忘れたり、 誤った申告をする人が多いのだと思われます。 また、譲渡所得の調査等件数のうち1030件はFX(外国為替証拠金取引) についてのもので、FXがハイリスクハイリターン型の取引のためか、 非違を指摘された1件あたりの申告漏れ額は2176万円と非常に高額に なっています。 なお、毎年話題になる「1件当たりの事業所得の申告漏れ所得金額が 高額な上位10業種」ですが、平成18事務年度は キャバレー(前事務年度4位)が1件当たり2769万円で1位。 2位は貸金業(同1位)2648万円、3位は風俗業(同2位)2113万円で、 4位の情報サービス業1599万円は初めてのランクインです。 消費税(個人)の税務調査件数は引き続き増加傾向 このほど国税庁が公表した「平成18事務年度における所得税及び 消費税調査等の状況について」によると、前年度に大幅に増加した 個人消費税に対する税務調査等の件数が、さらに2万件以上増加している ことが明らかになりました。 同公表結果によると、個人消費税に対する平成18事務年度の調査等の 件数は9万6443件で、前事務年度に比べて2万4074件増加しています。 個人消費税に対する調査等件数は平成14年度以降、3万9千件→3万4千件→3万件と比較的穏やかに推移していましたが、 平成17事務年度に7万2千件と一挙に跳ね上がっています。 これは、平成15年度の消費税法改正により消費税の免税点や簡易課税の 適用上限が引下げられ、消費税課税業者や原則課税事業者が大幅に 増えたこと、また消費税の滞納が社会問題になっていることなどから、 国税庁が消費税について重点的に調査を実施したためだといわれています。 平成18事務年度の調査等件数が、この平成17事務年度を 2万件以上超える調査等件数となったことは、 引き続き国税庁が本気だということを表している といっても良いでしょう。 また、平成17事務年度に前年度比で3倍近く増えた「簡易な接触」による 調査が、前年度の1万7711件から1万5041件に減少しています。 簡易な接触とは、計算の誤りや各種控除の適用誤りなど簡単な誤り内容に ついて、納税者に電話するか、または税務署に呼んで是正する 調査のことです。 この減少が、前述の改正で新たに課税事業者や原則課税事業者になった 人が申告方法に慣れた結果として、ケアレスミスが減ったためなのか、 それとも税務署の「簡易な接触」に対する適用基準が変わったためなのか、 多少気になるところです。 なお、個人消費税の調査等の結果、申告漏れ等の非違が発見されたのは 調査等件数の71.1%にあたる6万8560件で、追徴税額は加算税を含めて 256億円でした。 税源移譲で住宅ローン控除額が減少した人の年末調整 国税庁が「税源移譲の実施に伴う給与所得の源泉徴収票の摘要欄の 記載について」情報を公開しています。 平成18年度税制改正では、所得税(国税)から住民税(地方税)への 税源移譲が行われました。その結果、今年からほとんどの人の所得税額が 減り、住民税額が増えています。 ここで問題になるのが、いわゆる住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除) の取り扱いです。同控除においては、上限額が所得税額と定められている ため、所得税額の減少はそのまま控除上限額の減少となります。 控除額(ローン残高の1%)が所得税額を超えるような人の場合、 国や地方に払う税額は同じなのに、控除できる額が減少するということに なってしまいます。 そこで、平成18年度税制改正では、平成11年1月1日から平成18年12月31日までに入居した人に限り、所得税額が減ったことにより控除額が 減少した場合、その減少額を住民税額から控除できるという措置が とられています。今回の国税庁の情報は、年末調整において 同措置を受けるための事務処理についてのものです。 具体的には、年末調整を行う際に、「給与所得の源泉徴収票」の摘要欄に 「住宅借入金等特別控除可能額」および「居住開始日」を記載することに なります。 なお、「住宅借入金等特別控除可能額」は、「給与所得・退職所得に対する 所得税額源泉徴収簿」の「住宅借入金等特別控除額」の欄を転記します。 たとえば、算出した所得税額が25万円で、控除額が30万円だった場合、 「住宅借入金等特別控除可能額:300,000円」 「居住開始日:平成○年○月○日」と記載します。 注意しなければならないのは、「住宅借入金等特別控除可能額」に 記載するのは算出所得税額と控除額との差額 (上の例では30万円−25万円=5万円)ではないこと、 控除額が減少しない場合は「住宅借入金等特別控除可能額」を 記載する必要が無いことです。 また、「居住開始日」も忘れずに記載しましょう。
国税庁が平成19年分個人決算の留意点を公開 |
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国税庁が「平成19年分の決算に当たり留意すべき事項について」という情報を公開しました。これは、個人の決算(12月31日)にあたって、平成19年度税制改正で改正された減価償却制度、繰延資産の範囲、特定組合員の不動産所得に係る損益通算等の特例について、留意すべきポイントをまとめたものです。 ■減価償却制度 |
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国税庁が平成19年分の年末調整について情報 |
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国税庁が「平成19年分 年末調整のしかた」および「平成19年版 給与所得者と年末調整」を公開しました。年末調整まであと2ヶ月ほどですから、担当者の方はあらかじめ確認しておいた方が良いでしょう。 なお、今年分の年末調整が昨年にくらべて変わった点は以下の通りです。 |
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社員への食事支給は月額3500円まで福利厚生費 |
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ほとんどの会社の決算書に「福利厚生費」という科目があります。福利厚生費とは、一般的に「従業員の福利厚生のために支出する費用」のことをいいます。 ところが、税法では福利厚生費について明確な定義はされていません。実務においては、税額の計算上、会社の損金とできる費用のうち「従業員の福利厚生のために支出した費用」とされる費用で、かつ給与所得とならない(=所得税が課税されない)費用のことを福利厚生費として区分しているに過ぎないのです。 |
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出張旅費を支払う場合の注意点 |
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役員や社員が出張した場合、その出張経費(出張旅費、宿泊費、日当等)については、実費を計算して精算するケース、定められた出張旅費規程に応じて支払うケース、出張旅費規程は無いが慣習や上司決済等によって都度支払われるケースなどがあります。 これは、消費税も同じで、消費税法基本通達(11-2-1)によると、「事業者がその使用人等又はその退職者等に支給する出張旅費、宿泊費、日当等のうち、その旅行について通常必要であると認められる部分の金額は、課税仕入れに係る支払対価に該当する」とされています。つまり、通常必要である額を超えた分については、消費税の仕入れ税額控除ができないことになります。(簡易課税を選択している場合は関係ありません) |
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平成19年の「基準地価」が公表 |
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地域別に見ると東京、大阪、名古屋の3大都市圏で商業地(△10.4%)と住宅地(△4.0%)がともに2年連続で上昇しているほか、地方の中核都市でも商業地の上昇が顕著となっており、特に札幌、仙台、福岡の商業地では上昇率が二桁を記録しています。また、未だ地価の下落が続いている地域も多いのですが、その大半では下落率が縮小傾向にあるようです。 |
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10月から信用保証協会保証付き融資制度が変わります |
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全国信用保証協会連合会が「10月1日より、全国の信用保証協会と金融機関との間で、 そもそも、信用保証協会保証付き融資制度は不況に苦しむ中小企業のためのセーフティネットとして誕生した制度です。銀行より「かなり甘い」といわれる信用保証協会の審査さえ通れば、所定の保証料を支払うだけで信用保証協会が100%保証してくれるため、全国で161万社もの中小企業が同制度を利用して融資を受けています。 |
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10月1日より改正雇用対策法が施行 |
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中高年層の雇用環境改善を目的に、労働者の募集・採用時に年齢制限を設けることを禁じた「改正雇用対策法」が10月1日より施行されます。 また、これまで例外的に年齢制限を認められていた10ケースのうち、「労働災害の防止や安全性を確保する」「体力、視力など加齢により一般的に低下する機能が業務の遂行に不可欠」「取り扱う商品などが特定の年齢層を対象としている」などの4ケースが削除されました。 |
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9月より厚生年金の保険料率が引き上げられます。 |
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厚生年金の保険料率が9月より0.354%引き上げられます。 2004年に成立した「年金改革関連法」では、2005年から2017年までの間、毎年9月に厚生年金の保険料率を0.354%ずつ引き上げることが定められており、今回の保険料率の引き上げもこれに伴うものです。 |
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時価の8割で土地譲渡した場合の贈与税課税に違法判断 |
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8月23日、東京地裁で注目の判決が出ました。 この裁判の判決において東京地裁は、相続税において宅地は時価の路線価で評価されていることから、「著しく低い価格での譲渡に当たらず、贈与課税は違法」として、課税当局の課税処分を取り消しました。 |
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今年3月卒の初任給が大幅アップ |
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経団連が2007年3月卒の「新規学卒者決定初任給調査結果」を公表しました。それによると、2007年3月に大学を卒業した新入社員(事務職)の初任給は、前年よりも0.66%アップの20万5074円でした。大学卒事務職のアップ率が0.5%を上回るのは1998年以来9年ぶりのことで、1997年(0.7%)なみの水準です。 厚生労働省が公表している「賃金構造基本統計調査」によると、バブル期(1980年代後半〜1990年代初頭)には、3〜6%程度で推移していた初任給のアップ率は、バブル崩壊後に1%前後まで激減。1996年、2004年、2005年に至っては前年よりもダウンしています。 |
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